カテゴリ:うつわのこと( 7 )

祖母は蛍をかきあつめて
桃の実のように合わせた掌の中から
沢山な蛍をくれるのだ

祖母は月光をかきあつめて
桃の実のように合わせた掌の中から
沢山な月光をくれるのだ

    ----------三好達治「祖母」


おばあさんの孫に対する慈愛が
ふっくらとした掌からこぼれおちるほどの
蛍の光と月のあかりに
象徴されているような詩ではないだろうか と思います。



glass atelier えむにさんの 
「月色のグラス」。
以前から欲しかったものを
夫がある日買って帰ってきました。
文字通り飛びあがって喜びましたとも。

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写真がうまく撮れないので
ぜひ、こちらのえむにさんのブログの写真でご確認くださいませ。

酸素バーナーで作られています。
模様が美しいことも大事ですが
えむにさんは「日々使う器」を作られております。使い勝手がいいのです。
とても軽い、そして飲み口が薄く口当たりの気持ちのいいこと。
そしてこの、美しい月の色。
私のカメラ技術では撮ることができなかったのですが
角度によって青みがかった乳白色に輝いたり
淡い緑色に反射したり
とにかく見て飽きることがありません。
先ほどのブログの4枚目、
「月色の茶杯」シリーズの影、星の影ができているの、ごらんになれますか?
茶杯の側面のてんてんの部分の影、お星様になってるんです。
月色の器は、ひそかに星を抱く器なんです。


glass atelier えむにさんの器の数々は
明日4月20日から23日までの4日間
東京は渋谷の「うつわ謙心」さんにて
『豊増一雄 × glass atelier えむに 〜台湾茶のうつわ〜』
という企画をされているそうなので
お近くの方はぜひお立ち寄りくださいませ。
水上さんの確かな技術で作られた器と
みゆきちゃんの模様の美しさは
実際にみていただくに限ります。そして使っていただくに限ります。

くわしくはえむにさんのブログにて。


ところで冒頭の三好達治の詩。
私にはおばあさんじゃなくてミユキちゃんが、
桃のように合わせた掌のなかを
二人のお嬢ちゃんが
きゃあきゃあと笑いながら
覗きこんでいるところが思い浮かびます。
ミユキちゃんもきゃあきゃあと笑います。


そういう日々のやさしさとかあかるさに満ちた器たちですよ。



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11月の事なんですが
友人Oちゃんと石川県は山中温泉近くの工芸館で
「ろくろ木地挽き体験」をしてきました。

漆器のための、下地になる木の器を木地といいます。
木の固まりをろくろに横に固定し、
それをカンナで「しゅりいいいいーーーん」と削っていくのです。

で、その現場写真。
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木のいいにおいがします。

とんぼ玉の作業は
レース棒を引く時以外
ちんまり座っていうなれば腕しか動いていないわけですが
木地挽きは
全身を使ってカンナ〈削る道具の鉋ですね)を操ります。
足元でろくろをまわし、
長い柄を脇にしっかりはさみ
時には体を上から下に移動し、
時には左から右に移動しながら、最後に手首をひねるように少しあげて、等々
全身を大きく柔らかく使って削ります。

もちろん私たちは、職人さんに支えてもらえながらの作業です。
「ぬおおおおお」とか 「ふあぁぁぁーーー」とか
声が出ちゃいます。

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高台を削っています。奥の手が私の手。
これが難しい。
内側は職人さんが削ってくださいます。
私たちは外側だけ削る。
右側の木くずのなかに何本か横たわっている道具がカンナです。
ぱっと見た目、みんな同じ形に見えたのですが
職人さんは、ぱ!ぱ!と選び出しては
細かく使い分けてくださる。
このような道具を使って、仕事をしている方には
一本一本の違いは一目瞭然なんでしょうね。かっこいー!


そして1週間ほどして私の手元に届いたのはコチラ。

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ぬおおぉぉぉ 感動!!
拭き漆でしあげてくださいます。
自分で木を削ってお椀やお鉢をつくるのは
初めての体験でした。たのしかったーー。
こんどは汁椀作りにいきます…

ご興味があるわ という皆様ぜひ
「木地挽き体験」「ろくろ」等で検索していただくか
ご連絡くださいませ…




ところで余談ですが
Oちゃんが撮ってくれた写真、
こまかい作業中の私の顔が怖い…なんという残酷なまでに真実を写しだすカメラマンだ…
実はとんぼ玉作ってる時も、こまかい点打ちをしているときは
あんなコワイ顔になってるのだろうか…
誰にも見せられない。

笑顔でとんぼ玉つくる練習をしたいと思います。
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いよかん おすそわけでいただきました。

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以前もUPした ガラスアトリエえむにさんのガラスのうつわに
皮をむいて盛る。
みずみずしいオレンジがとてもきれい。
ひょいぱくひょいぱく
あっという間に食べてしまう。
いよかんとか はっさくとか
みずみずしくてつやっつやのところもおいしいけど
はじっこのかっさかさのところもさくさくしておいしいんだなー。
いよかんの旬て1~2月なんですね。
この冬はじめてたべたなぁ。
そして今年は文旦をたべなかったなぁ。
(毎年大量に母が購入するのです)


スーパーの青果売り場や
生産者直売のお店
ならんでいるお野菜や果物に
春の野菜がそろそろまざってきました。
菜の花、スナップえんどう、いちご(これは一年中あるけど)。
お値段も上がったものがあり、入れ替わりにさがったものがあり。
最近は一年中なんでもありますが
それがおいしそうか実際おいしいのかは、時々ちょっと疑問に思いますね。

春の日は、季節の移り目のところをゆきつもどりつしておりますが
スーパーの青果売り場の片隅にも
すこしずつ春は広がろうとしています。
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アンティークショップ 「sorara gallery」さんで購入したガラス。

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昭和の型吹きなのだと おもったのですが
どうでしょう。
口がまるくてきれい。
こうだいには、ざりっと削っただけ、っていうあとがある。

いつごろのなんでしょう。
どういう物語があるものでしょう。

酒屋さんのおまけ? いわゆるノベルティ?
想像する楽しみはつきませんが
直線を多用している割にやさしいフォルムに
やぼったいほどのまるくてやわらかいくちあたりは

まぁ そんなことはどうでもいいではないか

とわたしを ごろり とお行儀も悪く、一杯の冷酒にむかわせる
「ゆるさ」があります。


気合いの入ったきりっとした冷酒杯
どっしりとして さあのむか!とハリキッテしまうぐいのみ
酒器もさまざまですが
春をおもわせるようなおだやかな一日のおわりには

ゆるり とろり とした厚手のガラスが
にあうような気がします。




よるは 花々がいっそう濃く香る気がします。
花の香りをつまみに 一杯。

きょうもよい 一日をありがとう。


おやすみなさい。





…まだ寝ませんよ。

よるはこれからだっ!
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柿。
柿っておいしいですよね。

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先日購入した えむに工房さんのマエダミユキちゃんの器に柿の橙色がとても映えます。
…柿なのに橙(だいだい:みかん)色とはこれいかに。ま、それはおいといて。
または、柿の橙色にミユキちゃんの器の色がよく映えます。

先日アトリエを訪れた際に一目ぼれしたガラスの器。かわいいのです。
塗料で描かれた白い丸のなかにひとつひとつ、草や花やしずくなどのモチーフが
陶芸の「かきおとし」の要領で描いてあります。
…柿をいれた器が「かきおとし」とはこれいかに… それもおいといて。

私はこういう同じモチーフが少しずつ異なりながら連続するものに大変弱いです。
音楽もそうですね。
同じフレーズがすこしずつ変化しながら繰り返されるパターンに弱い。

おもわず自慢せずにはいられませんでした。
えむに工房さんの器、すてきですよ。


それにしても柿。おいしいですよね。
かりっしゃきっとした柿も好きですが
ねっとり熟した柿も大好きです。
熟した柿のヘタの部分を切り抜いて、そこにブランデーをどばどば流し込んだのを
スプーンでたべるのもいいです。
…こうして書くとずいぶんな食べ物のような気がするぞ。

子供のころは柿は冷えるからといって
たくさん食べてはいけない決まりでした。
大人になったらたくさん食べたかったのですが
そうそうたくさんも食べられないものですね。残念だけど。
たのしみを明日にとっとく、という気持ちになれるのは、大人の余裕でしょうか。

さてと、それではもう一仕事します。
また明日(予定)!
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昨日も書きましたが
明日5日(水)から10日(日)まで
福井西武6階工芸四季野さんで実演販売をしております。
お近くにお越しの際はどうかひとつ、お立ち寄りくださいませね。



先日の金繕いのその後。
継ぎ目に漆をたしたいのですが、
急に冷えだしたので、漆がなかなか乾かなくなったです。
漆が乾くには温度と湿気が必要なのです。
割れたお鉢と破片がいっこうにひっついてくれません。困った。
対処を考えねば。

わたしの金継ぎなど素人の趣味の延長にあるのでっつーかそのものなので
人さまにお見せすることもありませんが
継がれた器には 
「もったいない」ということを超えた滋味というか
そういうしみじみしたよさがあるように思います。
きれいな継ぎには、使い手の愛情も見え隠れします。

そんな器のうすい継ぎ目をぼんやり見ていると
私の心はいつしか
ミクロなコビトになって漆の道をてくてくあるいていきます。
絵付けの森に入り、でこぼこと表面のこまかい隆起を歩く。
そういう妄想の世界に入っていっていきます。

もうそうがぼうそう。
そういう時間が好きです。


**************



旭川に雪が降りました。
今年も10月に。
友人から毎年届いていた「もうストーブをだしたよ!」のメールは
届かなくなりましたが
北海道旭川に初雪のニュースがとどくたび
私は友人のことを「あぁそうか」と思い出します。


器の命 ひとの命
ならべるのは それはもちろんおかしいのですが
機能の停止が必ずしも命のおわりではない ということに変わりはないような気がします。


まぁ、たぶん。
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お足もとのお悪いなか、
名古屋にお越しくださいましたみなさま ありがとうございました。
やっぱり今回は見送るわ の方、
どうかまたよいご縁が名古屋にありますようにといのるばかりですが、
次回名古屋にゆくときは、よろしくおねがいします♪

そんなわけで
福井に帰ってまいりまして、晴天でございます。

甚大な被害を液晶画面のむこうに見るにつけ
胸をしめつけられるような思いですが
粛々と日々を過ごしております。




さて
涼しい風が吹き抜ける絶好のバーナー日和。
朝からバーナーの炎にがっつりと向かった後は、
兼ねてから気になっていた
割れた陶器の金繕いなどいたしました。

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家人が気に入って購入し、あっという間にぶつけて大きくかけさせてしまった
タナカマナブ氏のお鉢。
しゅんとする家人。よしよし吾輩が繕ってしんぜよう。
そう落ち込むでない。
この破片を、漆でつなぎ、金彩を施して
新たな表情をもってイキイキ働いてもらおうではないか、
というのが金継ぎでございます。
10年ほど前に漆の職人さんに習いましたが、
いまとなってはすっかり自己流です。

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破片と欠けた所にやすりをかけます。すりすり。
いろいろはしょりますが

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漆さんをねりねりして、破片にぬり、ひっつけます。
しばらくセロテープで固定。
…ほんとにざっくりした説明。

漆が乾いたら、また継ぎ目に漆をしみ込ませます。
そして最後に継ぎ目に金彩をほどこす。

…なんの参考にもならないですよ、と断っておこう。

漆は湿気が無いと乾かないので、
私は暑すぎない夏の終わりとか台風がくる前とか
毎年湿気が多い6月か今時分に繕いものをしています。
欠けた縁ところに漆を盛ってなめらかにしたり。
衣装ケースとか密閉容器にぬれタオルと一緒にいれて乾かすのもいいらしいです。


割れたら捨てる、のは簡単ですが
こうしてつないでやることで
器が新たな命を生き、私たちの生活を彩ってくれるのです。
この黒い器には何をもろうかなぁ、
金彩が効くだろうなぁ

そんなことを妄想しながらの繕い物でした。

ちゃんとなおったら、それもUPしますね。

それでは!
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